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特定技能の届出ルールが変更|令和8年4月から定期届出は年1回に

特定技能外国人を受け入れている企業には、出入国在留管理庁への届出義務があります。

届出には、大きく分けて次の2種類があります。

  • 一定期間の受入れ状況などをまとめて報告する「定期届出」
  • 雇用契約の終了や支援計画の変更などが生じた際に行う「随時届出」

令和8年4月1日からは、定期届出の提出方法や様式が大きく変更されました。

特に重要なのは、これまで四半期ごとに行っていた定期届出が、原則として年1回の届出に一本化されたことです。

ただし、定期届出が年1回になったからといって、途中で生じた変更について何も届け出なくてよいわけではありません。

この記事では、令和8年4月から変更された定期届出のルールと、受入れ企業が注意すべき随時届出について整理します。


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特定技能所属機関には届出義務がある

特定技能外国人を雇用する企業や個人事業主は、「特定技能所属機関」として、受入れ状況や雇用契約、支援状況などについて届出を行う必要があります。

登録支援機関へ1号特定技能外国人の支援を全部委託している場合でも、受入れ企業自身の届出義務がなくなるわけではありません。

特に随時届出については、登録支援機関へ支援を委託していても、原則として特定技能所属機関が行う必要があります。

そのため、

登録支援機関に任せているから、会社では届出の管理をしなくてよい

という理解は適切ではありません。

受入れ企業と登録支援機関との間で情報共有を行い、誰が、いつ、何を準備するのかを整理しておくことが重要です。


令和8年4月から定期届出は年1回に変更

従来の定期届出は、1年を四半期に分け、原則として3か月ごとに提出する仕組みでした。

この四半期ごとの定期届出は、令和7年第1四半期分をもって終了しています。以後は、1年間の受入れ・活動・支援実施状況をまとめて届け出る方法に変更されました。

令和8年4月1日以降の定期届出は、次の取扱いです。

対象期間

毎年4月1日から翌年3月31日まで

提出期限

翌年5月31日まで

5月31日が土曜日、日曜日または祝日の場合は、翌開庁日が期限となります。

たとえば、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの状況については、令和9年5月31日までに届け出ることになります。


定期届出では何を報告するのか

新しい定期届出では、特定技能外国人について、主に次の内容をまとめて報告します。

  • 受入れ状況
  • 就労・活動状況
  • 1号特定技能外国人への支援実施状況

登録支援機関へ支援の全部を委託している場合は、登録支援機関による支援実施状況も取りまとめ、特定技能所属機関があわせて提出する必要があります。

つまり、提出者は受入れ企業ですが、支援内容に関する資料については登録支援機関との連携が欠かせません。


「年1回になったから楽になった」とは限らない

提出回数だけを見ると、四半期ごとから年1回へ変更されたため、負担が軽くなったように見えます。

しかし、1年間分の情報をまとめて報告する以上、日頃から適切に記録を残しておかなければ、提出時期になってから内容を整理するのが難しくなる可能性があります。

たとえば、

  • 特定技能外国人の在籍期間
  • 欠勤や休業の状況
  • 報酬の支払状況
  • 支援の実施日や内容
  • 定期面談の実施記録
  • 相談対応の記録
  • 登録支援機関との情報共有

などは、その都度整理しておくことが大切です。

定期届出が年1回になったことは、日常的な記録管理が不要になったという意味ではありません。


随時届出は引き続き必要

定期届出の回数が年1回になっても、受入れ期間中に一定の変更や問題が生じた場合には、別途「随時届出」が必要です。

主な随時届出は次のとおりです。

1.特定技能雇用契約を変更・終了したとき

賃金、労働時間、業務内容などの雇用契約を変更した場合や、退職・解雇などにより雇用契約を終了した場合には届出が必要です。

届出期間は、原則として変更または終了などの事由が生じた日から14日以内です。

なお、「新たな雇用契約の締結」とは、いったん雇用契約を終了した後、在留期限内に同じ受入れ機関と再度雇用契約を締結する場合を指します。

2.支援計画を変更したとき

1号特定技能外国人支援計画の内容を変更した場合には、支援計画変更の届出が必要です。

支援責任者や支援担当者の変更、委託する登録支援機関の変更、自社支援への切替えなども対象になります。

届出期限は、原則として変更日から14日以内です。

3.登録支援機関との委託契約を変更・終了したとき

登録支援機関との支援委託契約を新たに締結した場合、契約内容を変更した場合、契約を終了した場合にも届出が必要です。

こちらも、原則として事由が生じた日から14日以内です。

4.受入れの継続が困難になったとき

特定技能外国人の受入れを続けることが難しくなった場合には、受入れ困難に係る届出が必要です。

対象となる例として、出入国在留管理庁は次のようなケースを挙げています。

  • 会社都合による退職
  • 本人の病気やけが
  • 行方不明
  • 死亡
  • 1か月以上活動できない休業
  • 妊娠、出産または育児による休業

重要なのは、実際に退職した日ではなく、退職や長期休業の原因となる事情が生じた時点を基準として届出を検討する点です。

5.受入れ機関の基準を満たさなくなったとき

特定技能雇用契約や支援計画に関する省令上の基準を満たさなくなった場合にも、届出が必要です。

基準不適合を知った特定技能所属機関は、原則として事由が発生した日から14日以内に届け出なければなりません。

6.支援計画の実施が困難になったとき

1号特定技能外国人に対して、予定していた支援を実施することが困難になった場合も、随時届出の対象です。

単に支援内容を変更する場合と、支援そのものの実施が困難になった場合とでは、使用する届出書が異なるため注意が必要です。


退職時は複数の届出が必要になることがある

特定技能外国人が退職する場合、雇用契約終了の届出だけ提出すればよいとは限りません。

たとえば、退職により受入れの継続が困難になった場合には、

  • 特定技能雇用契約の終了に係る届出
  • 受入れ困難に係る届出

の両方が必要になることがあります。

また、登録支援機関との委託契約も終了する場合には、支援委託契約に係る届出が必要になる可能性があります。

このように、一つの出来事から複数の届出が発生することがあるため、

退職届だけ出せば終わり

と考えず、関連する届出をまとめて確認することが大切です。


届出期限は原則14日以内

随時届出の多くは、変更や終了などの事由が生じた日から14日以内に提出する必要があります。

ただし、どの日を「事由が生じた日」とするかは、届出内容によって異なる場合があります。

特に受入れ困難に係る届出では、実際の退職日ではなく、退職の原因となる事由が発生した日が基準となることがあります。

そのため、退職日や契約変更日だけを基準に判断せず、いつ届出事由が発生したのかを個別に確認する必要があります。


届出を怠った場合の影響

特定技能所属機関による届出が適切に行われていない場合、今後、特定技能外国人を受け入れられなくなる可能性があります。

出入国在留管理庁も、特定技能所属機関からの届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れることができなくなる旨を案内しています。

また、登録支援機関による支援実施状況が適切に提出されない場合には、登録支援機関の登録に影響する可能性もあります。

届出は単なる事務手続ではなく、受入れ機関が制度上の義務を適切に履行しているかを確認する重要な手続です。


届出漏れを防ぐための実務上のポイント

特定技能外国人を受け入れている企業では、次のような管理体制を整えておくと安心です。

雇用条件を変更する前に確認する

賃金、勤務時間、業務内容、就業場所などを変更する場合は、変更後に届出が必要かを確認するのではなく、変更前の段階で在留資格や届出への影響を確認します。

退職の相談があった時点で確認を始める

実際の退職日まで待つのではなく、退職の申出や受入れ継続が難しくなる事情を把握した段階で、必要な届出を整理します。

登録支援機関と定期的に情報共有する

支援を全部委託している場合でも、届出の主体は受入れ企業です。

支援実施記録や定期面談の内容について、提出時期になって慌てないよう、日頃から情報を共有しておくことが大切です。

年1回の定期届出に向けて記録を残す

年1回まとめて作成するからこそ、月ごとまたは支援実施ごとに記録を整理する方が効率的です。


まとめ

令和8年4月1日から、特定技能の定期届出は、四半期ごとの提出から年1回の提出へ変更されました。

対象期間は毎年4月1日から翌年3月31日までで、翌年5月31日までに提出します。

ただし、定期届出が年1回になっても、次のような場合には随時届出が必要です。

  • 雇用契約を変更または終了した
  • 支援計画を変更した
  • 登録支援機関との委託契約を変更または終了した
  • 受入れの継続が困難になった
  • 受入れ機関の基準を満たさなくなった
  • 支援計画の実施が困難になった

随時届出の多くは、事由が生じた日から14日以内に提出する必要があります。

したがって、

定期届出が年1回になったため、途中の変更は次回の定期届出でまとめて報告すればよい

という理解は誤りです。

特定技能外国人の雇用条件、支援体制、退職、休業などに変化があった場合は、その都度、届出の要否を確認することが重要です。


ご相談について

特定技能の届出は、一つの変更から複数の届出が必要になることがあり、届出期限の起算日もケースによって異なります。

特定技能外国人の退職、雇用条件の変更、登録支援機関の変更、支援計画の見直しなどで、必要な届出が分からない場合は、伊達行政書士事務所までご相談ください。


注意書き

※本記事は令和8年8月6日時点の出入国在留管理庁の公表情報を基に作成しています。届出様式や提出資料、運用は変更される場合があります。実際の届出に当たっては、最新の出入国在留管理庁の案内および各届出の提出資料一覧をご確認ください。

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