育成就労制度では、一定の要件を満たした場合、育成就労外国人本人の希望による転籍(本人意向転籍)が認められています。
しかし、
「転籍を希望する外国人がいるのであれば受け入れたい。」
と思っても、何人でも受け入れられるわけではありません。
育成就労制度には、本人意向転籍者の受入れ人数に上限が設けられています。
今回は、この人数制限について分かりやすく解説します。
本人意向転籍者は「3分の1以内」が原則
育成就労制度では、本人意向転籍者の人数は、
転籍後に在籍する育成就労外国人全体の3分の1以内
でなければなりません。
つまり、転籍先に在籍する育成就労外国人のうち、本人の希望による転籍者が占める割合を一定以下に抑える必要があります。
具体例
転籍後に育成就労外国人が 12人 在籍する場合
- 本人意向転籍者 4人
- 新規受入れ 8人
であれば、
4人 ÷ 12人 = 3分の1
となり、基準を満たします。
一方、
- 本人意向転籍者 5人
- 新規受入れ 7人
の場合は、
5人 ÷ 12人 = 約41.7%
となるため、3分の1を超えてしまい、この基準を満たしません。
人数の計算に含めないケース
本人意向転籍者の人数を計算する際には、すべての転籍者を数えるわけではありません。
例えば、次のような人は計算対象から除かれます。
- やむを得ない事情があると認められて転籍した人
- 育成就労期間を3年を超えて延長した人
- 妊娠・出産などにより育成就労を中断し、その後再開した人
これらのケースは制度上特別な事情があるため、本人意向転籍者の人数には含まれません。
指定区域内からの転籍には、さらに厳しいルールがある
本人意向転籍には、もう一つ重要なルールがあります。
それが指定区域内からの転籍です。
指定区域とは?
指定区域とは、
地方から大都市圏への人材流出を防ぐために国が指定した地域
をいいます。
地方で育成した外国人材が、待遇の良い都市部へ集中して転籍することを防ぎ、地域間の人材バランスを維持することが制度の目的です。
指定区域内からの本人意向転籍者は「6分の1以内」
指定区域内から受け入れる本人意向転籍者は、
転籍後に在籍する育成就労外国人全体の6分の1以内
でなければなりません。
例えば、
転籍後に育成就労外国人が12人いる場合、
指定区域内から受け入れられる本人意向転籍者は
2人まで
となります。
これは、一般の本人意向転籍者に適用される「3分の1以内」の基準よりも厳しい制限です。
5人以下なら1人まで受入れ可能
一方で、小規模な受入れ事業者にも配慮した特例があります。
転籍後に在籍する育成就労外国人が5人以下の場合は、
指定区域内からの本人意向転籍者を1人まで受け入れることができます。
例えば、
転籍後の育成就労外国人が3人の場合でも、
指定区域内から本人意向転籍者を1人受け入れることが可能です。
ただし、この場合でも、
本人意向転籍者全体が育成就労外国人全体の3分の1以内であること
という基本ルールは変わりません。
人数制限を誤ると認定を受けられない可能性も
本人意向転籍者の割合が基準を超える場合には、
その育成就労計画は認定を受けることができません。
転籍を受け入れる際は、
- 現在の育成就労外国人数
- 本人意向転籍者数
- 指定区域内からの転籍者数
を事前に確認し、人数制限を満たしているかを慎重に確認することが重要です。
まとめ
育成就労制度では、本人意向による転籍が認められていますが、受入れ人数には一定の制限があります。
ポイントは次の3つです。
- 本人意向転籍者は、転籍後の育成就労外国人全体の3分の1以内
- 指定区域内からの本人意向転籍者は、6分の1以内
- 転籍後の育成就労外国人が5人以下の場合は、指定区域内から1人まで受入れ可能(ただし3分の1ルールは適用)
制度を正しく理解しておくことで、育成就労計画の認定手続きを円滑に進めることができます。
外国人材の受入れをご検討中の企業様は、制度改正や運用要領を踏まえた最新のルールを確認しながら進めることをおすすめします。

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