介護福祉士国家試験に不合格でも、一定の条件で6年目の在留が認められる場合があります
介護分野で「特定技能1号」として働いている外国人の方にとって、大きな節目になるのが通算5年の在留上限です。
介護分野には「特定技能2号」がありません。そのため、日本で引き続き介護の仕事を続けていく場合には、介護福祉士国家試験に合格し、在留資格**「介護」**への変更を目指すことが基本的な流れになります。
しかし、
「5年が近いのに、介護福祉士国家試験に不合格だった」
「もう一度受験したいけれど、このまま日本にいられるのか不安」
というケースもあります。
こうした場合でも、一定の条件を満たせば、再受験のために特定技能1号での在留を希望する申立てを行うことができます。
参考様式第1-31号では、必要な試験等に不合格となった方が、再受験のために特定技能1号での在留を希望する場合の申立てについて定められています。
介護分野には特定技能2号がありません
まず押さえておきたいのが、介護分野には特定技能2号がないという点です。
他の一部の分野では、特定技能1号から特定技能2号への移行を目指しますが、介護分野では進む先が異なります。
介護分野では、介護福祉士国家試験に合格した後、在留資格**「介護」**への変更を目指します。
実際、参考様式第1-31号の誓約事項にも、試験に合格した場合には、速やかに**「特定技能2号」または「介護」**への在留資格変更許可申請を行うことが記載されています。
介護分野の場合は、このうち「介護」への変更が該当します。
どんな人が対象になる?
この制度は、介護福祉士国家試験に不合格だった人であれば、誰でも利用できるわけではありません。
申立書では、不合格となった試験について、
・試験等の名称
・受験年月日
・試験結果通知書の発行年月日
・総得点
・合格基準点の8割にあたる点数
などを記載することになっています。
特に重要なのは、合格基準点の8割以上の得点を取っていることです。
つまり、
「不合格だったけれど、合格に近い水準まで到達しており、もう一度受験して合格を目指す人」
を想定した制度と考えると分かりやすいです。
主な条件は3つ
介護分野でこの制度を検討する場合、主に次の点を確認します。
1.介護福祉士国家試験に不合格だったこと
在留資格「介護」へ進むために必要な国家試験に不合格となっていることが前提です。
2.合格基準点の8割以上の得点を取っていること
単に不合格だったというだけではなく、一定以上の得点が必要です。
3.再受験して合格を目指す意思があること
この制度は、在留期間を単に延ばすためのものではありません。
再度、介護福祉士国家試験を受験し、合格後に在留資格「介護」へ変更することを前提としています。
本人が約束すること
申立てにあたっては、外国人本人にも誓約事項があります。
申立書では、
・合格に向けて努力し、再度その試験を受験すること
・合格した場合は、速やかに「特定技能2号」または「介護」への在留資格変更許可申請を行うこと
・合格できなかった場合は、速やかに帰国すること
が誓約事項として示されています。
介護分野では、合格後に目指す在留資格は**「介護」**です。
そのため、この制度は、
「もう1年働くための制度」
ではなく、
「もう一度試験を受けて、在留資格『介護』へ進むための猶予期間」
と理解するのが適切です。
会社側にも条件があります
この制度は、外国人本人だけで完結するものではありません。
受入れ企業、つまり特定技能所属機関にも協力が求められます。
申立書では、企業側の誓約事項として、
・引き続き本人を雇用すること
・試験合格に向けた指導、研修、支援等を行う体制があること
が定められています。
したがって、
「本人は再受験したいけれど、会社が継続雇用しない」
「会社に試験合格へ向けた支援体制がない」
という場合には、この制度の利用が難しくなる可能性があります。
本人と企業の双方で、今後の方針を早めに話し合っておくことが重要です。
5年を超えて「6年目」の在留が認められる可能性があります
特定技能1号は、原則として通算5年までです。
しかし、この制度の対象となる場合には、再受験のために特定技能1号での在留を継続し、6年目の在留が認められる可能性があります。
大切なのは、
「5年が来たら必ず帰国」ではない場合がある
ということです。
ただし、当然ながら自動的に1年間延長されるわけではありません。
試験結果、得点、再受験の意思、継続雇用、企業の支援体制などを確認したうえで、必要な手続きを行う必要があります。
企業側は5年が近づく前から確認を
受入れ企業としても、外国人本人の在留期間が5年に近づいてから慌てて対応するのではなく、早めに状況を確認しておくことが大切です。
たとえば、
・特定技能1号の通算在留期間
・介護福祉士国家試験の受験状況
・試験結果と得点
・合格基準点の8割以上かどうか
・再受験の予定
・会社として継続雇用できるか
・試験対策の指導や研修、支援体制があるか
などを整理しておくと、手続きを進めやすくなります。
特に、試験結果通知書は申立てを検討するうえで重要な資料です。
まとめ
介護分野の特定技能1号は、原則として通算5年までです。
一方で、介護福祉士国家試験に不合格だった場合でも、
・合格基準点の8割以上を取っている
・もう一度受験して在留資格「介護」を目指す意思がある
・受入れ企業が継続雇用し、試験合格に向けた支援体制を整えている
といった条件を満たす場合には、再受験のために特定技能1号での在留を継続し、6年目の在留が認められる可能性があります。
「5年が近いから、もう帰国するしかない」
と決めつける前に、まずは試験結果や在留期間を確認してみることが大切です。
伊達行政書士事務所では、介護分野の特定技能1号で働いている外国人の方や受入れ施設・事業所について、在留期間、試験結果、申立書、在留資格「介護」への変更まで、今後の流れを整理しながらサポートしています。
「5年が近いけれど、試験に不合格だった」
「8割以上は取れているけれど対象になる?」
「施設側は何を準備すればいい?」
といった段階からでも、お気軽にご相談ください。

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